【NICU助産師監修】新生児の生理学的特徴とミルク育児の注意点を解説

全記事

この記事を読んでわかること

哺乳ビンを用いた粉ミルクの調乳方法

ミルクの取り扱いと注意点

新生児の生理学的特徴

ミルク育児の注意点が分かる

乳首とゴム乳首との違い

前提

ミルク育児の注意点を知りたい方

看護学生さんや助産学生さんの実習に向けた看護計画・事前学習・指導案に活用したい

産婦人科、NICU勤務の看護師さんへ向けた発信内容となっています

哺乳瓶を用いた粉ミルクの調乳方法

世界保健機関(WHO)及び国連食糧農業機関(FAO)により「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」(概要、仮訳)が作成、公表されましたのでお知らせします。

1.粉ミルクを調乳する場所を清掃・消毒します。

2.石鹸と水で手を洗い、清潔なふきん、又は使い捨てのふきんで水をふき取ります。

3.飲用水※を沸かします。電気ポットを使う場合は、スイッチが切れるまで待ちます。なべを使う場合はぐらぐらと沸騰していることを確認しましょう

※①水道水②水道法に基づく水質基準に適合することが確認されている自家用井戸等の水③調製粉乳の調整用として推奨される、容器包装に充填し、密栓又は密封した水のいずれかを念のため沸騰させたものを使用しましょう。

4.粉ミルクの容器に書かれている説明文を読み、必要な水の量と粉の量を確かめます。加える粉ミルクの量は説明文より多くても少なくてもいけません。

5.やけどに注意しながら、洗浄・殺菌した哺乳ビンに正確な量の沸かした湯を注ぎます。湯は70℃以上に保ち、沸かしてから30分以上放置しないようにします

6.正確な量の粉ミルクを哺乳ビン中の湯に加えます

7.やけどしないよう、清潔なふきんなどを使って哺乳ビンを持ち、中身が完全に混ざるよう、哺乳ビンをゆっくり振るまたは回転させます

8.混ざったら、直ちに流水をあてるか、冷水又は氷水の入った容器に入れて、授乳できる温度まで冷やします。このとき、中身を汚染しないよう、冷却水は哺乳ビンのキャップより下に当てるようにします。

9.哺乳ビンの外側についた水を、清潔なふきん、又は使い捨てのふきんでふき取ります

10.腕の内側に少量のミルクを垂らして、授乳に適した温度になっているか確認します。生暖かく感じ、熱くなければ大丈夫です。熱く感じた場合は、授乳前にもう少し冷まします。

Microsoft PowerPoint – WHOガイドライン要約.ppt (mhlw.go.jp)

ミルクを作るにあたっての注意点

○乳児用調製粉乳の調乳に当たっては、使用する湯は70℃以上を保つこと。

(注)高温の湯を取り扱うので、やけどに注意すること。

○調乳後2時間以内に使用しなかったミルクは廃棄すること。

厚生労働省:乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドラインについて (mhlw.go.jp)

上記は厚生労働省が出している粉ミルクの調乳及び取り扱いに関するガイドラインです。

高温のお湯を取り扱うため、やけどには注意しましょう。

赤ちゃんの周りでお湯を取り扱わないなどルールを決めておくと安心ですね。

また一度でも口につけたミルクは、雑菌が繁殖してしまうため、2時間以内であっても破棄するようにしましょう。

新生児の消化機能と生理的特徴

新生児の生理学的特徴からミルク育児の注意点を説明していきます

母乳よりもミルクの方が消化に時間がかかる

一般的にミルクは新生児でも2時間以内に、多くは1時間で胃から小腸に移動します。

糖質や脂質の負荷や高蛋白質ミルクなど成分によって胃通過時間は延長し、また腹ばいの姿勢で養育すると短縮する。

人工ミルクの成分だけでなく新生児の姿勢にも消化時間は影響されます。

新生児の胃の容量

生れたばかりの新生児の胃の大きさはサクランボくらいです。

3kgで生まれた赤ちゃんで容量は6mlくらいです。

生れてすぐに胃は大きくなっていきます。

生後2日目にクルミくらいの大きさになり

生後1週間を終える頃にはピンポン玉まで大きくなります

この頃には、容量は出生時の約8倍以上となり50mlくらいまで大きくなります。

ミルク育児の注意点

ミルク哺乳後は哺乳間隔を考慮する

基本は生後4~5か月まで3時間間隔

根拠

・ミルクは母乳に比べると新生児や消化機能が未熟な乳児への胃の負担が大きいため

・カロリーが母乳よりも高い

こんなに違う!人工乳首と乳首

人工乳首と乳首の違いについて紹介していきます。

誤嚥に注意!

まず大きな違いは乳首の伸展性

哺乳中にヒトの乳頭は約2倍伸展するのに対し、人工乳首の伸展は1.2倍である。

ヒトの乳頭では伸展がよいため、乳汁を乳頭から下の後方に流入させることができる。

つまり、直接哺乳では人工乳首の場合より後方に乳汁が流出するため、嚥下が容易に行えます。

そのため、人工乳首を使った場合には、乳汁が直接哺乳よりも前方に流出されてしまうため、誤嚥の危険性が高くなる。

吸啜圧波形・パターンの違い

直接哺乳・人工乳首での哺乳ともに児の舌運動は、基本的に蠕動様運動をしている。

しかし、様々な方法で比較してみると、人工乳首はヒトの乳首と比べ伸展の度合いが少ない。

また、直接哺乳の場合は吸啜圧波形は短く頻回な吸啜パターンを示し、筋活動量も多く、児は口腔周囲筋をきたえることになる。

人工乳首では乳汁流出が多すぎるため誤嚥のリスクが挙げられる。

さらに乳汁が口腔内に流れる前後の圧波形も、直接哺乳と人工乳首での哺乳では異なる。

医療従事者は直接哺乳と人工乳首での哺乳が全く異なるものであることを認識したうえで、母乳育児支援を行う必要があります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました