【NICU助産師監修】母乳のリズムと乳房と乳腺の変化を解説【根拠と指導ポイント】

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この記事を読んでわかること

母乳のリズムを理解することができる

母乳分泌のしくみを理解することができる

新生児の同調性について理解できる

新生児が泣く理由についてわかる

妊娠前~産褥1か月ごろの乳房の変化を知ることができる

産褥経過に応じた乳房の変化をイメージすることができる

前提

「母乳育児を頑張りたいと思っている」

「母乳育児のメリットをもっともっと知りたい」

「ちょっと理系に母乳育児を知りたい」

母乳について知りたい、看護学生さんや助産学生さん

母性実習や助産実習の事前学習、予習や復習

産婦人科、NICU勤務の看護師さんへ向けた発信内容となっています。

看護目標・指導案のポイント

1.母乳のリズムを理解することができる

2.授乳のタイミングが理解でき、授乳行動をとることができる

3.妊娠前~産褥1か月ごろの乳房の変化を知ることができる

4.産褥経過に応じた乳房の変化をイメージすることができる

母乳のリズム

新生児の同調性

新生児期は母子間の同調性が大きな役割を果たしている

児は生後16時間ごろから母親の声や動きに同調する行動を示し、

6日目以後には自分の母親の乳汁の匂いを嗅ぎ分ける。

母親のパットと他人のパットを児の左右に置くと、児は母親の母乳のついたパットのほうに向く確率が高くなる。

これはNICUでもよくある光景ですね。

ママの母乳の香りに落ち着くと啼泣の頻度や啼泣時間が減ることもあります。

1日の生活リズムそのものも母親はまるで児と一体のようなリズムをつくっていく

子宮の中で児が母親のバイオリズムを覚えて生まれてきたかのようでもあり母親が児の生活リズムに何の抵抗もなく合わせていくようでもある。

こうして新生児期の母子はお互いの話しかけ、目と目の見つめあい、肌の触れ合い、笑顔のやり取りなどお互いのつながりを強めあっていく。

赤ちゃんの泣く理由について理解する

1日数回泣くのはごく普通であるということ

赤ちゃんの泣きについて理解することができることがまずはじめの一歩です

新生児の啼泣は成人のように悲しみや喜びの表現とは別で空腹やおむつが濡れていることなど、外界に対する不快や不安の表現である。

1日中泣かない児はむしろ神経学的な異常を疑わせるほどである。

3か月までつかえる泣き止むテクニック

お腹もいっぱいでゲップもした、オムツもきれい、うんちも出たのになぜか泣き止まない経験ありませんか。

NICUでは毎日たくさんの新生児たちがいます。そこで働く助産師や看護師は言わば新生児のプロ。

そのため泣き止ませるのもとても早いです。

ポイントはこれだけです。

生後1か月以内の児であれば、児を抱いて45度の角度でゆっくり前後にリズミカルに揺すると、ほぼ全例泣き止む。

是非、試してみてください。

ちなみに新生児があやすことに反応して笑うことは生後4か月以後に認められます。

乳房と乳腺の変化

妊娠前~産褥1か月ごろの乳房の変化

妊娠・出産に伴う乳腺組織の成長として、妊娠初期に乳管や乳腺葉の発育と増殖がみられる。

プロゲステロン

乳管が小歓声に突出・分岐し、小葉形成の促進。

プロラクチン

小葉性腺房性構造の完成に不可欠である。

腺房細胞にある乳汁分泌を起こす受容体にも影響を与える。

乳房と乳腺の成長の関与

乳房

プロラクチン、hPL、エストロゲン、プロゲステロン、ACTH、成長ホルモンが関与。

乳腺

ACTHと成長ホルモンはプロラクチンやプロゲステロンと相乗的に乳腺の成長を促進。

乳汁合成の開始

インスリンにより誘導される細胞の分化とコルチゾールが必要である。

妊娠中のプロラクチンは非妊時の血漿濃度20~30倍!

妊娠中期には胎盤由来のエストロゲンの血中濃度増加が下垂体前葉からのプロラクチン分泌を刺激する。血清中の発育因子とインスリンは乳腺の幹細胞を刺激して増殖させる。

これらの分化した細胞をコルチゾールが刺激することによって、腺房に誘導していく。腺房からなる小葉が、間質で区分けされた乳腺葉を形づくる。

腺房の上皮細胞層には、少なくとも幹細胞と分泌細胞の2種類の細胞が確認されている。

この時点ではプロラクチンは乳汁の生成に関与している。妊娠中期から後期にかけての、乳腺が乳汁を分泌できるようになるまでの時期を「乳汁生成Ⅰ期」とよぶ。

この時期では、腺房細胞が分泌細胞に分化するにつれて乳腺葉が大きくなり、乳房のサイズも大半の人で大きくなる。

実際、妊娠3か月になると、腺房には初乳様の物質が分泌されるようになり、妊娠16週以降に分娩に至ると、児は生存できなくても乳汁分泌がみられる。

乳房の成長

乳房は最大の成長を遂げる時期は妊娠初期の5か月

乳房容積は12~227mlに増加する。 妊娠後期では、乳管系の分岐がこの期間も続くが妊娠初期ほど著明ではない。

妊娠中は実質組織の細胞が増殖し、腺房の中に早期の初乳が貯留して乳房の増大がみられるようになる。

その割合は個人差が大きく、ほとんど大きくならない女性から著しく大きくなる女性までさまざまである。

乳房のサイズは一般に妊娠22週には一定してくるが、一部の女性では妊娠第3三半期(妊娠9か月期)にも乳房の著しい発育が認められることがある。

この時期には初乳は排出されないことが多く、産生された初乳成分は血液中に吸収される。このため、妊娠後期になると尿中に乳糖が検出されるようになる。

すなわち、乳房が妊娠中に大きくなるということは、乳汁産生・分泌の準備が行われていることを意味しています。

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