【NICU助産師監修】母乳栄養の7つの利点

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この記事を読んでわかること

母乳栄養の利点を知ることができる

前提

「母乳育児を頑張りたいと思っている」

「母乳育児のメリットをもっともっと知りたい」

「ちょっと理系に母乳育児を知りたい」

母乳について知りたい、看護学生さんや助産学生さん

母性実習や助産実習の事前学習、予習や復習

産婦人科、NICU勤務の看護師さんへ向けた発信内容となっています。

赤ちゃんの未熟な消化機能を守る

母乳の主な成分や母乳が消化にも良い

母乳を構成する主な成分は水(約88%)で、固形成分として脂肪、炭水化物、蛋白質、ビタミン、ミネラルがあり、新生児に必要な栄養バランスが含まれている。

母乳栄養児は胆汁酸刺激リパーゼの恩恵を得られるため、脂肪の吸収に有利である。

炭水化物の中に乳糖があり、母乳中に多く含まれている。乳糖は回腸に至るまで消化・吸収が続けられる。

また、カルシウムの吸収も行っている。

母乳中にある蛋白質としてあるカゼインは胃酸により、やわらかいガードを作り、容易に消化される。これらの作用から消化も良いとされる。

感染から赤ちゃんを守る!母乳中に含まれる免疫物質

生後4ヵ月間より長く母乳だけで育てると、1歳までに下気道感染症によって入院するリスクを72%減らすことができる。

しかし生後4~6ヵ月間母乳だけで育った乳児では、生後6ヵ月間より長く母乳だけで育った乳児と比べて、肺炎のリスクが4倍になる。

生後3ヵ月間より長く母乳だけで育てると、中耳炎のリスクが50%軽減する。

生後6ヵ月間より長く母乳だけで育てると、重症の感冒、中耳炎、咽頭炎が63%減少する。

母乳の多寡にかかわらず母乳を与えていれば、非特異的な消化管感染症の発症率を64%減少させ、この効果は母乳を中止した後も2ヵ月間継続する。

米国小児科学会「母乳と母乳育児に関する方針宣言」1 (jalc-net.jp)

母乳中の抗炎症因子や免疫物質

母乳栄養により、物質が母乳を介して児へ移行する。

母乳に含まれる免疫物質は初乳だけでなく生後1か月以降も分泌される。

さらに生後6か月以降ではリゾチームなどの免疫物質が増加し、児や母親が風邪を引くと母乳中の免疫物質が増える。

つまり児の状態に合わせて母乳の免疫物質も変化している。

分泌型IgA抗体など

感染防御を高める

ラクトフェリンなど

炎症を抑える

リゾチーム、αラクトアルブミン、プロラクチン、レプチンなど

免疫機能を高める

母親の常在細菌叢

児と母親が出生早期に肌と肌を接することにより、母親の常在細菌叢が児の皮膚と消化管に定着することで感染予防ができる

初乳

乳汁生成Ⅰ期に分泌される。

初乳は免疫に関する物質を多く含んでいる。

無菌的な子宮内から多くの細菌が存在する子宮外へ出たばかりの児は、まだ抗体をはじめとする免疫力が十分ではない。

母乳は病原体のいる環境で生きていかなければならない児に免疫を与えたり、間接的に児の免疫力を強化してくれたりする。

アレルギーを起こしにくい

生後3~4ヵ月間母乳だけで育てると、喘息・アトピー性皮膚炎・湿疹のリスクが減少し、減少率は、発症リスクが低い母集団で27%、家族歴がある場合42%である。

米国小児科学会「母乳と母乳育児に関する方針宣言」1 (jalc-net.jp)

母乳中には分泌型IgA抗体が豊富に含まれ、児自身が十分な分泌型IgA抗体を産生できるようになるまで重要な働きをする。

児自身の腸管での分泌型IgA抗体産生は生後2~3週まできわめて微量である。

食物抗原に特異的に作用する分泌型IgA抗体は食物抗原を腸管粘膜から入りにくくするため、アレルギーが起きにくくなる。

母乳は新鮮であり、適温で経済的

いつでも適温・新鮮な状態で児が欲しがるときに待たせずに欲しがるだけ授乳できる。

また、調乳などで児から手を離さずにすむ。

さらに添い寝をしたままでも授乳できることから、夜間母親も十分に睡眠がとれる。

人工乳にかかる費用が不要であり、母親と児が病気になりにくいため医療費が少なくてすむ。

母子愛着形成や児の情緒の安定につながる

授乳を通して母親の児に対する愛着行動(児の顔をみつめる、児に微笑む、触る、笑いかける、声をかける、キスをするなど)が増加する。

母乳育児をしていると母親は自尊感情を高め、自分で選択したことに自信を感じやすくなる。

その結果、母子関係を密接に感じやすくなり、これが子どもと過ごす時間を楽しく感じるきっかけになる。

母乳育児の期間が長くなるほど、児の情動異常、行為異常、多動、友人問題、社会的問題減ってきている。

児の顎と骨の発達に良い

人工乳首はヒトの乳首と比較して伸展の程度が少なめである。

そのため人工乳首と直接哺乳の吸啜圧波形と吸啜パターンは大きく違います。

直接哺乳の場合、吸啜圧波形は短く頻回な吸啜パターンを示し、筋活動量も多く、児は口腔周囲筋を鍛えることになる。

母乳栄養をすることで子宮収縮を促し、母体の回復を早める

出生直後に母親の腹部に児をうつぶせにのせると、児は間欠的に下肢の伸展と屈曲を繰り返す。

児が乳房を吸う刺激によってオキシトシンが分泌されて胎盤の娩出を促進し、悪露が子宮内にとどまることを防ぐという利点がある。

その後も児が吸啜するたびにオキシトシンが分泌され、子宮収縮をさせて子宮復古を促すこととなる。

早い時期からの授乳や頻回授乳により、乳房緊満や乳房の痛みの予防に役立ちます。

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