【NICU助産師監修】母乳は脳と神経を育てる!IQと視力向上に関係

全記事

ママ助産師のあおいです。

タイトル通り

母乳が育てる脳と神経についてです。

助産師として本気で母乳育児を語ってみたいと思います。

しかしたくさん母乳育児のメリット

正直ありすぎる・・・

今回は母乳に関する世界中の論文や研究結果を交えて、

以下の内容に絞って母乳育児のメリットについて述べます。

この記事を読んでわかること

脳神経、脳の発達面

視神経、視力の発達面

脳や神経の成長発達を促す母乳中の成分

前提

「母乳育児を頑張っている」

「母乳育児のメリットをもっともっと知りたい」

母乳について知りたい、看護学生さんや助産学生さん

産婦人科、NICU勤務の看護師さんへ向けた発信内容となっています。

本気で伝える!母乳のメリット

完全母乳育児はIQを伸ばす!

この情報はタイトルだけで完全母乳育児のママに朗報ですね。

詳しく説明していきますね。

脳の発達に関係

生れた時、新生児の脳は大人の30%しかありません。

他の哺乳類と比べてみると、多くは大人に近い大きさと複雑さをもって生まれてきます。

人間に近いチンパンジーでさえ生まれた時の脳のサイズは大人の40%以上あります。

いかに人間が未熟な状態で生まれてくるかわかりますね。

では人間の脳はどのようにして成長していくのでしょうか。

赤ちゃんの脳の質量は生後6か月までにほぼ2倍になります。

その後2歳-3歳まで急速に発達し5-6歳で成人の90%に達します。

人間の脳は生まれてから急速に発達していることが分かりますね。

人の脳は60%近くが脂肪で出来ています。

母乳の脂肪は正期産児のカロリー摂取量の50-60%を占めています。

急速に成長する脳の発達を脂肪酸が担っているのです。

母乳に含まれる脂肪の混合物はほかよりもかなり複雑に出来ています。

中には未だに現代の科学を持っても解明されていない働きもあります。

つまり粉ミルクは母乳の代替品であるものの完全には再現されていないということです。

人間の複雑な脳の構造を作るために複雑な脂肪分が必要になるのですね。

もちろん粉ミルクには入っていません。

世界中の研究で社会的経済因子を考慮に入れても完全母乳育児の赤ちゃんの方が粉ミルクの赤ちゃんよりもIQが高く学校の成績もよいことが分かっています。

そして30代での収入格差、50代での能力差も研究の結果明らかになってきています。

行動面にも影響

4か月以上母乳育児だった子どもは5歳時点で問題行動がある確率が30%低かった。

白質の発達に関係

研究の結果

研究では完全母乳の赤ちゃんは粉ミルクの赤ちゃんよりも白質が20-30%多いことが分かっています。

白質(はくしつ、英語: White matter)は、中枢神経系(CNS)の中で特に有髄化された神経線維で構成される領域のこと[1]。長い間受動的な組織と考えられてきたが、学習や脳機能に影響を与え、活動電位の分布を調節し、リレーとして機能し、異なる脳の領域間の伝達を調整する

白質 – Wikipedia

なんだか少しわかりにくいですね。

少し簡単に説明すると

白質は脳と脳の領域間で早いやり取りを行うための神経の束をイメージしてください。

これは主に学習や脳機能に影響を与えます。

追加の白質は言語、論理的思考、感情、社会性、運転技能をつかさどる部分に集中しています。

視力や奥行き感覚が育つ!

視神経の発達に関係

研究の結果

母乳で育てられた子の視力は、粉ミルクで育てた子よりも大幅に良い

ことが分かっています。

実はおなかの中にいる頃は光に対して反応を示します。

網膜を栄養する血管は妊娠15週ごろから発生し、妊娠40週ごろには眼底周辺部に達します。

網膜(もうまく、: retina)は、の構成要素の一つである。視覚細胞が面状に並んだ部分があればこう呼び、視覚的な映像(情報)を神経信号(電気信号)に変換する働きを持ち、視神経を通して中枢へと信号を伝達する。その働きからカメラフィルムに例えられる。

網膜 – Wikipedia

早産児の場合では正常な血管の伸びが妨げられることがありますね。

そうなると未熟児網膜症など発症してしまう事があります。

新生児の視力は0.02~0.05程度

6か月で0.1

3歳ごろに1.0になります

つまり正期産で生まれても視力だけでなく形態や色彩の認識もまだまだ発達の途中です。

出生後相当の時間をかけて形態や色彩の認識をしていきます。

粉ミルクにDHAが含まれている場合でも、母乳で育てられた赤ちゃんの方が視力だけでなく置く行きへの感覚が優れていることが分かっています。

視神経の発達にDHAやアラキドン酸はとても重要です。

母乳にはたくさんのDHAやアラキドン酸が含まれています。

しかし粉ミルクにDHAが含まれている場合でも視力に差があったことから、

母乳中に含まれる1000種類以上のたんぱく質や200種類以上のオリゴ糖など、母乳にはまだ解明されていない多くの性質があると言えます。

母乳は2歳以降も一生モノの恩恵を与える

母乳に含まれる脳にも目にもいい成分

ミルクに含まれていても母乳と同じ構造成分であることを意味していません。

スフィンゴミエリン

聞きなれないかもしれませんが、スフィンゴミエリンは母乳中に大量に含まれています。

体内のDHA含量を上昇させ、視神経の髄鞘化を促進します。

出生時、人の神経の軸索には髄鞘はありません。

一般に髄鞘化が完了するとその脳の領域は充分に機能するようになると考えられています。

つまり脳の発達には髄鞘化は重要な意味があります。

スフィンゴミエリンは脳だけでなく視神経の発達にも重要です。

スフィンゴミエリン (Sphingomyelin, SPH) は、スフィンゴ脂質の一種である。動物細胞膜中に存在しており、特に神経細胞軸索状に覆うミエリン鞘の構成成分としてよく知られている。ヒトにおいては、体内に存在するスフィンゴ脂質全体量のうちの85%近くがスフィンゴミエリンである。

なお、ヒトにおいてはグリセロール由来でない唯一の膜リン脂質である。

スフィンゴミエリン – Wikipedia

コレステロール

コレステロールはミエリン膜の構成物として欠かせません。

生後、急速にシナプスは増えるため大量のコレステロールが必要になります。

つまり脳が急激に発達するこの時期では、コレステロールは白質や認知行動の発達に影響を及ぼしていると言えます。

粉ミルクのコレステロール含有量は母乳の1/2-1/4です。

粉ミルクでは食品に含まれるラードや魚脂などの動物性油脂や植物性油脂を配合し組織を調整することで母乳に近づけています。

しかし母乳の脂肪の組織構造は非常に複雑に出来ているため全く同じではありません。

特に赤ちゃんはコレステロール合成能が低いため母乳中からコレステロールを摂取することは大切です。

このように脳や神経系の発達だけでも

赤ちゃんへのメリットは計り知れません。

母乳は単なる栄養源ではありませんね。

2歳以降も赤ちゃんに一生モノの最高の恩恵を与えます。

1日に1回だけでも、ほんの少量でも母乳は赤ちゃんへ最高のプレゼントとなります。

母乳育児、楽しみながら出来れば続けていきたいですね。

研究抄録

Breastfeeding and maternal and infant health outcomes in developed countries(英語)

We reviewed the evidence on the effects of breastfeeding on short- and long-term infant and maternal health outcomes in developed countries. …

Ip S, Chung M, Raman G, Chew P, Magula N, DeVine D, Trikalinos T, Lau J (2007) Evid Rep Technol Assess (153):1-186

An exclusively human milk-based diet is associated with a lower rate of necrotizing enterocolitis than a diet of human milk and bovine milk-based products(英語)

To evaluate the health benefits of an exclusively human milk-based diet compared with a diet of both human milk and bovine milk-based products in extremely …

Sullivan S, Schanler RJ, Kim JH, Patel AL, Trawöger R, Kiechl-Kohlendorfer U, Chan GM, Blanco CL, Abrams S, Cotten CM, Laroia N, Ehrenkranz RA, Dudell G, Cristofalo EA, Meier P, Lee ML, Rechtman DJ, Lucas A (2010) J Pediatr. (156):562-7

参考文献

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Chung, M. et al. Interventions in primary care to promote breastfeeding: An evidence review for the U.S. Preventive Services Task Force. Ann Intern Med 149, 565-582 (21-10-2008).

Diouf, J.S. et al. Influence of the mode of nutritive and non-nutritive sucking on the dimensions of primary dental arches. Int Orthod 8, 372-385 (2010).

Gartner, L.M. et al. Breastfeeding and the use of human milk. Pediatrics 115, 496-506 (2005).

Inoue, N., Sakashita, R. & Kamegai, T. Reduction of masseter muscle activity in bottle-fed babies. Early Hum Dev 42, 185-193 (1995).

Ip, S. et al. Breastfeeding and maternal and infant health outcomes in developed countries. Evid Rep Technol Assess (Full Rep) 153, 1-186 (2007).

Kramer, M.S. et al. Effects of prolonged and exclusive breastfeeding on child behavior and maternal adjustment: Evidence from a large, randomized trial. Pediatrics 121, e435-e440 (2008).

Labbok, M.H. and Hendershot, G.E. Does breast-feeding protect against malocclusion? An analysis of the 1981 Child Health Supplement to the National Health Interview Survey. Am J Prev Med 3, 227-232 (1987).

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Rosenbauer, J., Herzig, P. & Giani, G. Early infant feeding and risk of type 1 diabetes mellitus – a nationwide population-based case-control study in pre-school children. Diabetes Metab Res Rev 24, 211-222 (2008).

Schwarz, E.B. Infant feeding in America: enough to break a mother’s heart? Breastfeed.Med. 8, 454-457 (2013).

Sullivan, S. et al. An exclusively human milk-based diet is associated with a lower rate of necrotizing enterocolitis than a diet of human milk and bovine milk-based products. J Pediatr 156, 562-567 (2010).

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WHO and UNICEF. Global strategy for infant and young child feeding (World Health Organization, Geneva, 2003).

Widstrom, A.M. et al. Short-term effects of early suckling and touch of the nipple on maternal behaviour. Early Hum Dev 21, 153-163 (1990).

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Medela

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