【NICU助産師監修】帝王切開分娩後の新生児【標準看護計画】

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この記事を読んでわかること

帝王切開で生まれる新生児の医学的特徴

帝王切開分娩後の新生児 標準看護計画

帝王切開で出生した新生児のリスク

帝王切開で生まれた新生児の医学的特徴

・産道を通過しないため、肺水の吸収遅延しやすい

・麻酔薬の移行、影響により低血圧を生じる可能性がある

・胎児因子の選択的帝王切開や緊急帝王切開術の場合は、出生後になんらかのリスクや特別な処置が必要な場合がある。

帝王切開分娩後の新生児 【標準看護計画】

看護目標

1.新生児は適切なケア、処置を受け子宮外生活に正常に適応できる

2.新生児は健康状態に異常をきたすこともなく、正常に経過できる

3.帝王切開分娩が及ぼす胎児への影響からリスク予測と異常の予防のもと、異常時には新生児は早期に適切な処置ケアを受けることができる

4.新生児は子宮外生活への適応が順調に経過する

O-p 観察項目

出生直後のチェックポイント

 ・早産児

 ・弱い呼吸・啼泣

 ・筋緊張低下

2.新生児の状態

①在胎時期と体重(在胎週数は正期産の範囲にある、身体各部の計測値が正期産児に見合った値に相当している)

②神経学的所見は成熟徴候

③外表奇形、外表所見は成熟徴候を示している

④呼吸状態:多呼吸(60回/分以上、2~3日で軽快)軽度の伸吟。チアノーゼ、陥没呼吸の症状は少ない。

⑤胸部X線写真(中心性うっ血性の所見、肺の過膨張、軽度の心拡大)

⑥血液ガス所見(通常は正常範囲だが、軽度の低酸素血症、高二酸化炭素血症)

⑦啼泣時肺活量(CVC:RDSとの鑑別に必要)

3.アプガースコア(皮膚色・筋緊張・呼吸・心拍数・反射)

4.家族歴(家系の遺伝疾患・父親の健康状態・血族結婚)

5.母親の一般状態(年齢,薬物,禁煙,飲酒,全身疾患)

6.産科・婦人科歴(月経,妊娠・分娩回数,妊娠・分娩・産褥・新生児の経過,婦人科疾患)

7.妊娠経過(最終月経と予定日,妊娠合併症,薬物服用,胎児情報)

8.分娩経過(分娩様式,麻酔,分娩所要時間,胎児機能不全と処置,破水の時期,臍帯・胎盤所見)

新生児にみられる反射:瞬目反射・瞳孔反射・追いかけ反射・吸啜反射・モロ一反射・逃避反射・把握反射・緊張性頸反射・腹壁反射・足引っ込め反射・歩行反射・バビンスキ一反射・足底把握反射

早期の母子接触中:新生児が子宮外環境に適応している過程でもあるので注意深い継続的な観察と評価を行うことが不可欠である。

T-p 援助計画

ルーチンケア(母親のそばで)

・気道開通

ポイント

新生児の顔をやさしく額から顎に向けてガーゼで拭う。口や鼻にもたまっていればガーゼで拭いとる。

必要時にはバルブ・シリンジで口腔内を吸引する。

根拠・留意点

口腔内や鼻腔内の粘液は児頭娩出時に自然に排出される。

咽頭深く強く吸引すると迷走神経反射が誘発され徐脈や無呼吸をおこすので注意する。

・保温

ポイント

分娩室や新生児蘇生室は少なくとも30℃は必要である。

※ただし母親の暑さを考慮する場合には分娩室は25℃以下にはせず,新生児の処置には身体を乾燥させラジアントウォーマーを使用する。

根拠

出生後0~6時間の中性温度環境は32.0~33.8℃。

出生直後の新生児の体表は羊水でぬれているため室温が30℃であっても蒸発による体温喪失の割合は多い。

室温25℃の分娩室では身体をぬれたままの状態にしておくと5分後の腹壁皮膚温は34℃まで下がる。

身体の水分をふき取り(皮膚の乾燥)ラジアントウォーマーに寝かすと37℃の体温が維持される。

・皮膚乾燥

ポイント

身体をふくタオルはあたたかくしたものを使用する。

根拠

伝導による熱喪失を防ぐ。

ラジアントウォーマーを使用しても身体がぬれたままであれば,30分後には直腸温36.5℃以下になる。

新生児の体表に付看している水分量は10~15 mLであるので、2枚以上のタオルを準備しぬれたタオルはただちに取りかえる。

・母子接触

ポイント

・母親の近くにラジアントウォーマーを置きそこでルーチンケアを行う。

・体表の水分をふき取った新生児を母親の胸部で肌と肌が触れ合うように抱き、あたたかいバスタオルなどでおおう。

根拠

出生直後、既述の3項目のチェックポイントにおいて問題がなければ母子関係促進のために母親のそばでルーチンケアを行う。

・母子標識

ポイント

・第一次標識

出産前に母親に母親用と新生児用の2つの標識(母子の標識番号が一致している)を装着しておき、出産直後で臍帯切断前に母親から新生児用標識を外して新生児に装着する。

出生直後は保温が重要であるため、ルーチンケア時でよいと考える。

・第二次標識

性別・母親の氏名・出生年月日と時間を記入し新生児の処直後に装着する。

根拠

母親と新生児を同時に識別できる標識で新生児の取り違え防止や災害時の親子識別のために実施される。

E-p 指導計画

母子標識装着時

母親に外れかけていないかどうかの確認や入院中は標識を外さず標識を装着したまま退院し自宅で外すことについて説明し理解を求める。

※施設によっては退院時に看護師や助産師が外すこともあります。

新生児のリスクと影響

sleeping baby

母体に使用する吸入麻酔や静脈麻酔剤が胎児に移行し、呼吸抑制を起こす事がある。母体麻酔の深さや麻酔時間が長くなるほど、また胎児のアシドーシスや死があるほど胎児への薬物移行が増加するため症状が出現しやすい。

胎児の外傷

子宮を切開する際、羊水量が少ない場合などに胎児を誤って傷つけてしまうことがある。

分娩の外傷

子宮切開部の大きさが不十分の場合、特に骨盤位では娩出困難となり分娩外傷を起こす。

新生児一過性多呼吸

TNN(帝王切開では産道通過時の“squeezing”がないこと、また帝王切開の適応としての胎児仮死や分娩時の全身麻酔の影響により第1呼吸が抑制される事により出現する。

分娩時に加わるストレス、陣痛に伴うストレスがないためカテコラミンやステロイドを介して出生前の子宮内における肺水の動態に影響を及ぼしている。

呼吸窮迫症候群:RDS

胎児週数が32週未満な場合にRDSを発症する可能性を考慮する。

NICU助産師からワンポイント

帝王切開で生まれた赤ちゃんの中にはスムーズに胎外生活へ適応できない場合があります。

帝王切開分娩の場合、助産師や産科看護師の役割は主にベビーキャッチです。

帝王切開で生まれた場合のリスクとして呼吸障害がありますが、

“出生後、自発呼吸はあるが呻吟・陥没呼吸が出現し始めた場合”

こんなときどうしますか?

・肩枕

・CPAP

・小児科医、NICUにコール

緊急帝王切開では仮死での出生や羊水混濁している場合では胎便吸引症候群:MASなどさらにハイリスクとなります。

慌てることがないよう帝王切開分娩で出生する新生児の特徴を捉えて準備しておきましょう。

参考文献

ハイリスク妊産褥婦・新生児ケア 第7巻                            

新生児学入門 第4版

新生児の疾患・治療・ケア

今日の助産 マタニティサイクルの助産診断・実践課程

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