【NICU助産師監修】ダウン症候群【看護事前学習】心理的危機

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この記事を読んでわかること

ダウン症候群の種類と原因

ダウン症候群、名前の由来と症状と兆候

家族の心理状態、心理的危機から適応過程

心理的危機状態にある家族への支援

ダウン症候群

約80%が卵子の減数分裂の異常

常染色体異常

Gトリソミー症候群(ダウン症候群)21トリソミー

種類

 ・トリソミー型 :21常染色体が一本多い

 ・転座型    :21常染色体の一部がどこか他の部分に移動

 ・モザイク型  :トリソミー細胞と正常細胞が入りまじっている

トリソミー型

原因 

・減数分裂の過程で染色体が1/2にならず、倍のまま卵子または精子に含まれて受精

・および、受精後のきわめて初期の際に、不分離という現象が生じる

・両親の染色体に異常はないため、遺伝性疾患とはいえない

・母子の年齢が上がると発生しやすくなる

1/1000 → 1/100(40才) ,1/46(45才)

→卵子の加齢 → 染色体異常発生率の上昇

転座型

・両親のどちらかの21番目の染色体の一部が他の染色体に移動

保因者:両親の染色体を調べる必要がある

・または、受精の際に発生

正常保因者(父か母)は、全体の染色体量は変わらずとくに症状はない

父か母が転座型の保因者であれば、ダウン症候群児の出生率1/3。

異常染色体を有する場合受精しにくい傾向があるため、実際の発生頻度は1/3より少ない。

モザイク型

発生は全体の2%。

転座型よりさらに珍しい種類のダウン症候群。

正常な染色体を持つ細胞と21番目の染色体が3本になっている細胞が混合していることが特徴。

両親の染色体が正常であっても生じることがあります。

名前の由来 

発見者である医師の名前が由来。

ジョン・ラングドン・ヘイドン・ダウン(英語: John Langdon Haydon Down、1828年11月18日 – 1896年10月7日)は、イギリスの内科医。先天性疾患の一つであるダウン症候群(一般に「ダウン症」と呼ばれる)の発見で知られる。

ジョン・ラングドン・ダウン – Wikipedia

症状と兆候

おとなしくめったに泣かない。 筋緊張低下。

顔貌

 ・鼻根部偏平 ・目尻のつり上がり ・目頭に内眼角贅皮

後頭部偏平 小頭症

突出した大きな溝状舌(中央の亀裂はみられない)

耳介は低く円形

頸部背面周囲の余剰皮膚がよく見られる

手は短く幅広く、しばしば猿線(単一手掌屈曲線)

手指は短く、特に第五指は湾曲指(内湾)で、しばしば指節骨が2本

器官系

心臓

先天性心疾患(VSD)

中枢神経

認知障害(軽度~重度)、運動および言語発達遅滞

消化器

腸閉塞、ヒルシュスプルング病

内分泌

甲状腺機能低下症、糖尿病

感覚器 

眼疾患(例、先天性白内障、緑内障、斜障、屈折異常)

難聴

中耳炎の発生率高くなる

成長

低身長、肥満

血液

血小板減少症、新生児赤血球増多症、一過性白血病、急性巨核芽球性白血病

急性リンパ芽球性白血病

筋骨格系

環軸椎および、後頭環椎、不安定性、関節弛緩

心理危機状態への理解

親が先天性障害のある子どもを受容するプロセス

障害受容モデル

アメリカのデニス・ドローター小児科医師が提唱しました。

Ⅰショック
Ⅱ否認
Ⅲ悲しみと怒り
Ⅳ適応
Ⅴ再起

初めはショックを受け否認もするが、悲しみと怒りを乗り越え徐々に適応し再起するという仮説です。

ダウン症候群や先天奇形に関する親の心理的適応過程の研究から生まれました。

※この適応過程は自閉症スペクトラム児や知的障がいの親の心理的適応過程には当てはまらないと多くの研究で結論付けられています。

家族の想い

①多かれ少なかれ、心理的危機状態になる

②見知らぬ病院環境への不安(NICUという特殊な環境)

③家族員の役割と、日常生活への変化

④経済的負担の心配

⑤家族システムの変化

心理的危機状態

①想像していた我が子のイメージが大きく異なることも(コード・チューブの挿入)

②NICUの特殊な環境

多くの親は、障害について、悲観的に想いながらも、同時に我が子を愛しく想う気持ちを持ち

合わせている。

しかし適応が上手くいかない場合「罪悪感」「後悔」「怒り」時に「いっそ死んでくれ」という

想いを抱くこともある。

医療者は家族の心理的状況や適応過程を理解し、支持的に支援する。

愛着形成への支援

子供が生まれてくることは、どの様な場合でも喜ばれることであり、医療者は、心から誕生を祝福しなければならない。

「おめでとうございます」 「赤ちゃんは元気ですよ」と言い、親に子供を合わせない行為は配慮のつもりが親を傷つける行為。

子供と親が一緒に過ごせる時間や、空間の提供

カンガルーケアの実施

スクリーンを用いて、プライバシーの配慮

母親

自責の念が強く会いに来られないこともある。

自責の念を軽減するケア

早朝から母子関係確立に向けた支援を

eye to eye contact   skin to skin contact の重要性

母子相互作用・母子関係確立に占める重要性

医療従事者の想いと、家族への支援

家族と話し、問題を一緒に考えていく

家族の思いを聴く

直接子供に関係のないと思われる一連の話でも、全て聞くことが信頼関係を築く第1歩

子供をとりまく、関係者による話合い

周産期ミーティング、胎児検討会など開催し関係職種が集まり話合う

揺れ動く家族の気持ちを細やかに把握する。一貫性のある説明と対応

家族自立と、在宅医療への支援

「親から愛情のこもった育児の必要性」について初期から説明する

「育児参加」から「育児ができる」自立への支援、在宅での生活への評価

医学的側面、両親の育児能力および社会資源の活用等の側面からも評価

異常児に対する母親の反応

すべての母親は元気な可愛らしい子どもの誕生を夢みている

1)驚き、ショックの段階

  説明や話した内容を全く覚えていない

2)否定の段階         

  信じられない思い。説明の内容をあまり覚えていない

3)悲しみと怒りの段階     

  現実は理解しつつ内容については、十分に受け入れていない

4)あきらめの段階       

  受け入れ始める

5)受け入れの段階(再出発の時期)

  積極的に情報を求める

6)平静の段階        

  ごく普通の心で障害を有した児と接することができる

父親と母親の児への愛着の違い

男女の本質的な違い

母親 

出生までの約10時間 胎内に児を宿した経過から、父親より先に児の愛着の確立

父親 

生後1か月、児の微笑に反応。単なる生き物を越えた社会的存在とし、急速に愛着を確立

病児の家族の接し方原則

心理状態の変化を理解し、繰り返し説明する

父親は、感情を表面に出すことは少ないが、心の動揺は、母親と類似

努めてポジティブに!!

ex)☓「発達が遅れていますので、独り歩きもほかの子より遅くなることを覚悟して下さい」

   ○「発達が遅れますが、必ず歩けるようになりますよ」

 

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